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【相続について考える②】遺言書は3種類。自筆証書遺言で不備をださないために気を付けること3つ

50代 男性

親が亡くなったときのことはわかったけど、自分が死ぬ時を想像すると…子供達には迷惑かけないように準備しておきたいな。

確かに、自分が亡くなったとき身内でのゴタゴタは想像したくないですよね。そんな時には、遺言書を作成しておくと相続争いを避けられます。

相続について①】では、親が亡くなったときの手続きについてを解説しました。

【相続について考える①】親が亡くなった時の手続き一覧とチェックリスト身内がいる場合は、避けて通れないのが相続問題です。相続といっても、先ほど申した通り、限定承認や相続放棄、または巣b手相続する単純承認などの種類があります。相続の種類だけではなく、実際に身内が無くなった場合、どのような手続きが必要なのか、チェックリストも作りましたので、合わせて確認していきましょう。...

今回は、自分が亡くなる時に準備しておくとよい遺言書について解説していきます。

もくじ

01.自分の意思を伝える【遺言書】
ー遺言書に書いておいた方が良い項目

①自筆証書遺言

②公正証書遺言

③秘密証書遺言

まとめ:自筆証書遺言で気を付けること3つ

01.自分の意思を伝える【遺言書】

自分がいなくなった時に、自分の持ち物をどのようにしてほしいのかを法的な効力をもって伝えられるものが遺言書です。

遺言書に書いておいた方が良い項目

相続分の指定
→法定相続分と異なる割合を決めることができます。

相続人の廃除
→相続したくない人を指定することができます。

遺産分割方法の指定と分割の禁止
→分割の禁止は5年間可能です。

遺贈について
→法定相続人以外の人に財産を与えることができます。

子供の認知
→婚外子を自分の子と認知し、財産を相続させることもできます。


付言事項(※法廷効力無し)
→自分の思いや願などについても書くことができます。

原則、遺言書通りになりますが、法定相続人全員の同意がある場合は、遺言書の内容と異なる遺産分割をすることも可能です。

遺言書は、主に3種類です。
それぞれ特徴を確認してみましょう。

①自筆証書遺言

自筆証書遺言書とは、全文を自筆する遺言書の事です。
作成する場所に制限はなく、いつでも思いついた時に書くことができます。
(※財産目録に限り、ワープロ入力可能。他、全文は自筆下さい)

しかし、他社が内容を確認しないため、不備にならないよう気を付けなければなりません。

作成方法:
全文を手書きする。作成した日付、署名、押印が必要です。

保管場所:
自宅、または法務局(2020年7月より※有料)

法的に認められるためには:
家庭裁判所の検認手続きが必要
(※封をしてあった場合は、封が開けられていないか、改ざんされていないか、全文に不備はないかなどを確認します)

②公正証書遺言

公証役場で公証人に作成してもらう遺言書の事です。
自筆証書遺言とは違い、公証人に作成してもらうので、有効な遺言書を確実に作成することができます。

★作成方法:作成手数料がかかります
①事前に公証人と打ち合わせを行い、公証人が作成した遺言書の文面を確認します。
②2人以上の証人と一緒に公証役場へ行きます
③公証役場では、遺言内容の確認を行います
④問題がなければ遺言者本人と2人以上の証人、または公証人が署名押印を行います
⑤公証役場に原本が保管されます。

★保管場所:
公証役場

★法的に認められるには:
保管の際に、公証役場で確認しているので効力が発生しています。

③秘密証書遺言

遺言書がある旨を他者に知らせることによって、自分が死ぬまで内容を秘密にしておける遺言書の事です。

秘密証書遺言では、自筆ではなく、ワープロや代筆でも作成することができます。※ただし、署名は自筆です。

しかし、実際はあまり使われていません。
理由は、内容を秘密にするものですので、内容に不備があっても気が付かない場合が多くあります。

作成方法:
自筆でもワープロでも代筆でも可能です。
作成した日付、署名(※自筆)、押印が必要です。

保管場所:
自宅

法的に認められるためには:
家庭裁判所の検認手続きが必要
(※封をしてあった場合は、封が開けられていないか、改ざんされていないか、全文に不備はないかなどを確認します)

まとめ:自筆証書遺言で気を付けること3つ

大きく分けて3つの遺言書がありました。
不備に気を付けて自筆証書遺言を作成することも可能ですが、日付けの書き方や、誤字脱字の訂正の仕方まで、実は結構細かく指定が入ります。

そのため、一生に一度、最後の願いを託すためには公正証書遺言をお勧めします。

公正証書遺言であれば、思いをそのまま公証人につたえ、法的効力のある書類を作成してくださいます。

とはいったものの、最後くらい手書きで全部書き上げたい!という方もいらっしゃると思いますので、自筆証書遺言で主に気を付けるべきポイントを3点追記させていただきます。

自筆証書遺言で気を付けるポイント

①間違えた個所がある場合は、訂正を行うよりも書き直す
→訂正の仕方ひとつでも不備となってしまいますので、誤字脱字があった場合は書き直すのが一番正確です

②「相続させる」「遺贈する」という言葉を入れてハッキリと意思表示を明確にする
→「譲りたいと思っている」など、あいまいな表現では法的に効力を発しない場合があります。一生に一度の願いを書いた手紙というイメージを持って、意思をきちんと伝わるように書きましょう。

③完成した遺言書は、封筒に入れて封をする
→自筆証書遺言の場合は、保管が自宅の為、法律で禁止されていますが、第三者からの改ざんの可能性もゼロではありません。

自筆証書遺言の良いところは、何度でも書き直しができるところです。
法的効力のある書類の場合は、もっとも新しく作成された遺言書が有効となります。

ぜひ参考にしてみてください。